えの素トリビュート

まぁ漫画なのかファンブックなのかは分からんがとりあえず。


豪華作家陣がウリと見られる本書ですが、ぶっちゃけ引き立て役にしかなってません。いや、それはそれで正しい姿なのですけれど、セレクトされたえの素を読む上で邪魔でしょうがありません。
じゃあえの素単行本で読めよ。全くその通り。でも単行本持ってないのよ…。昔立ち読みで済ませちゃったから…。よくもまぁ昔の私は立ち読みできたものだと感心します。しゃれにならん、笑いが止まらん。悶えてしまう。えの素は偉大すぎる作品だと再発見いたしました。


さて、えの素といえばうんこです。ここまでうんこに対して多種多様なアプローチを試みた作品は他に知りません。えの素≒うんこと言っても差し支えないでしょう。後はペニスと精子とロールでしょうか。それは置いといてちょっとうんこについて考えてみたいと思います。


先ず第一に、うんこを取り扱った作品というものは希少であるといえます。(スカトロエロマンガなんて読みません。つーかそんなのあるのか?あるんだろうなぁ世の中には…。)
それはうんこというものが常識的に禁忌とされているからです。(いや、一人でする分には問題ないんですけど、表現物として公表する場合として、ね。)
それゆえにうんこを用いた表現、ギャグなどは長く開拓されることがありませんでした。(思い出せる限りではうんこが食べられる場合とか、あとはもう投げるくらいしか…)
えの素を読んでみますと、うんこがいかにネタの宝庫であるかを思い知らされます。


それでは何故、ネタの宝庫であるうんこは禁忌とされてきたのでしょうか?様々な理由が挙げられます。
先ず衛生的ではないということ。現実的にうんこを放置しておけば悪臭や雑菌の繁殖を招きます。中世ヨーロッパではうんこ放置の末にペストの大流行を招いたとか。ハイヒールはうんこを踏まないための知恵とかもよく聞きますね。誰か当時の欧州人につっこんでやれ。
また、排便には快感を伴います。これはうんこをしなければ人間病気になってしまいますよという体からのメッセージな訳ですけれども、この快感も禁忌とされている理由の一つであると考えられます。
まぁ、そんなことよりも汚いの一言でしょうね。禁忌とされる理由なんて。


さて、こういった禁忌とされる理由を逆手に取ったのがえの素でのうんこであると考えます。
うんこの”汚さ”は、それを日常の風景に織り交ぜることで緩和しています。また、これによってうんこは勃起前のペニスにも似たある種の”可愛さ”も獲得しています。また、快感の表現をうんこで表すことにも成功しています。うれションみたいなものです。快便です。
また、えの素ではうんこに数限りない付加価値を持たせています。クソエステなどはその最たる例といってもいいでしょう。
こうしたうんこに対する様々なアプローチの結果、えの素の世界ではうんこに対する忌避感というものは一切感じられなくなりました。そうです、うんこが市民権を得たのです。


えの素の世界では市民権を得たうんこですが、現実の世界や他作品においてはその地位は変わることはありません。願わくは、えの素で成長した子供達が更なるうんこの向上を目指してくれることを祈るばかりです。てなんだこのまとめ。